2012.10.28 WorldShift’12 Vol.1 イベントレポート②


続いての講演は塩見直紀さん。

塩見さんは「半農半X」という小さな農を行いながら、
社会に対して天賦の才を活かす生き方を提唱されている方です。
「自分らしいライフスタイルとは」というテーマでお話していただきました。
普通の人が社会改革が出来る時代になった昨今ですが、
塩見さんご自身がソーシャルデザインというものに出会ったのは
今から20年前のことだそう。

人生において印象に残っている言葉として、ご紹介いただいたのがこの言葉。

我々は何をこの世に遺して逝こうか。金か、事業か、思想か。
(内村鑑三33歳のときのことば)

塩見さんが初めてこの言葉に触れたとき、とても衝撃を受けたそうです。
きっと参加者の方々(もちろん私も含めて)にも衝撃だったのではないでしょうか?

そして塩見さんは「33歳になったら自分を新しく再出発しよう」と決心なさり、
それまで務めておられた会社を退職し、「自分らしい生き方」を考えていったそうです。

「半農半X」という生き方

塩見さんが提唱されている「半農半X」。
そのことについても分かりやすく教えていただきました。

「半農半X」とは、「持続可能な農ある小さな暮らしをしつつ、
天の才(個性や能力、特技など)を社会のために生かし、
天職(X)を行う生き方、暮らし方」と定義されています。

「農」と聞くと畑や田んぼを想像しがちですが、
あくまでも「持続可能である」というところがポイント。
耕作面積や、費やす時間は問題でなく、
「暮らしの中に農があること、農を意識して生きること」が重要なのだそう。

それによって、「いつかは終わる生命体である自分」を意識することになり、
時間に対する考え方を変え、自然や他の生命や後世に思いをいたすことを可能にする。

また、食糧問題や環境問題の解決につながるのでは?と教えていただきました。

この「半農半X」という考え方は中国や台湾でも受け入れられており、
現地のメディアでも取り上げられているそうです。

X(天職)の見つけ方

では、その「X」はどのようにして見つけ出していけば良いのでしょうか。
塩見さんはそのヒントとなる考え方を教えてくださいました。

「X」を見出すためには、まず自分の事を分からなければならない。

そこで、「自分キーワード」を出してみる。

自分キーワードの見つけ方=公式で考える!

A×B×C
─────────
大好きな場所

①自分の思う特技、個性、長所、好きなこと等を3つのキーワードとして挙げる
②その3つを活かすことのできる好きな場所(地域、環境、コミュニティなど)を考えて
 「天職」になるような環境作りをめざす
みなさんも一度考えてみてはいかがでしょうか(^^)
何か新しいものが見えてくるかもしれません!
まだ自分が何をやりたいのか、私たちのような若い世代の人たちは
定まっている人はそんなに多くないと思います。
この塩見さんの「半農半X」を通じて、自分の「X」は何なのか、
考えるきっかけになったのではないでしょうか。
そして、まとめではこのような言葉を。

シフトシートに書いた言葉は、「散逸」「収斂(しゅうれん)」

自分の中にある散らばった要素(散逸)を取り出して、クリスタライズ(結晶化)すれば、成功します。
ばらばらのものをひとつに纏めてみる(収斂)ことで、新しい何かが生まれてくるのではないか。

塩見さんは半農半社会起業家として、農業をしながら、
社会に対していい方に向けられるような取り組みをしていらっしゃいます。
今回のご講演を通じて、私たちに社会について考えるきっかけを与えてくださいました!

続いては休憩を挟み、いよいよ「対話」の場、ワークショップへと移ります!

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