こんにちは!
いよいよこのレポートも最後となりました。
2012年も終わりますね。
みなさんの2012はどのようなものでしたか?
さて、12月21日(金)に左京泰明さん、安田菜津紀さん、並河進さんをゲストに開催された”WorldShift’12 Vol.4 最終回”のレポートに移りたいと思います。
文章はWorldShift’12のジャンケンマスターことOKBが担当させて頂きます。
ジャンケンポン!
さて、レポートをはじめる前にVol.4が行われた2012年12月21日について、ひとこと。
2012年12月21日は、マヤ暦によると「世界が終わる日」と呼ばれていました。
私たちWorldShift’12実行委員会が平日金曜日のこの日に開催した理由も、これに由来します。
”「世界が終わる日」に新しいはじまりを見つけよう。”
”これからのことを話してみよう。”
そんな想いから2012年12月21日に開催しました。
ロマンチックでしょ?(笑)
御存知の通り、世界は終わりませんでしたが、これからのことを考えることのできる「はじまり」の場になったのではないでしょうか。
それではレポートへ。
まずは、いつものようにアイスブレイク!
「WorldShift’12」「アイスブレイク」ときたら、もう、これしかありませんね!
そうですね!
「WorldShiftじゃんけん列車」
ですね!
単なる小手先のじゃんけん列車ではなく、全身を使って行う画期的前衛的な「超じゃんけん列車」。
参加者のみなさんの熱気ものぞみ号のようなスピードで上昇していきました!
じゃんけんで負けた人は買った人の後ろにつき、またじゃんけんをして後ろについて…という繰り返しの中で、手に汗握る攻防が繰り広げられました。
握るグーにも自ずと力が入りますね!特に「五条の乱」とでも呼ぶ決勝戦は大熱狂でした!
勝者には栄光が、敗者には温かい拍手が送られました!無形の喜び、大事です!
雰囲気もいい感じに盛りがったところで、講演へ。
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まずは、左京泰明さんの講演から。
〇左京泰明【さきょうやすあき】
1979年、福岡県出身。早稲田大学卒業後、住友商事株式会社に入社。
2005年に退社後、特定非営利活動法人グリーンバードを経て、
2006年9月、特定非営利活動法人シブヤ大学を設立、現在に至る。
著書に『シブヤ大学の教科書』(シブヤ大学=編 講談社)、『働かないひと。』(弘文堂)がある。
渋谷という街をひとつのキャンパスに見立て、生涯学習事業を行うNPO「シブヤ大学」の学長を務められている左京さん。
左京さんは「ワールドシフト」=「世界を変える」という言葉を聞いた際に、少し遠く感じられたようです。
いきなり「世界を変える」とは言っても、なかなか当事者意識を持って、行動するのは難しい。
まずは社会と自分の接点を知り、日常で自分に何ができるかに気づくことが大切であるといいます。
高齢化による社会保障費の増加や、人口減少による経済規模の縮小、海外誌にも”Into the Unknown”と呼ばれるほど、混沌な時代であるとは言いますが、将来に夢を持った若者や、自分たちの世代が世の中を変えていきたいと思う若者も増えてきている事実もあります。
世の中には、「0.9の状態」と「1.1の状態」が存在するそうです。
いつもよりちょっとできた状態=1.1
いつもよりできなかった状態=0.9
小さな違いではあっても、たった一年で大きな差が表れます。
「いつもよりちょっとできた状態×一年」304(1.1×360)÷「いつもよりできなかった状態×一年」0.002(0.9×360)=152,000
”世の中を変えることも、コツコツと続けることで、はじめて小さな変化が生まれる。”
そんな思いをもとに左京さんは2006年からシブヤ大学の活動を続けられています。
シブヤ大学は「渋谷区の生涯学習」を変えていこう。よくある公民館のこじんまりとした集まりではなく、渋谷全体を巻き込んで、新しい生涯学習のあり方を創りだそう。という気持ちから活動がスタートしました。
現在は世代や行政・企業といった垣根を越え、800人もの「先生」、16000人もの「生徒」がサークルや授業に参加されています。
現代の社会人のライフスタイルでは、会社と自宅の行き来がメインとなり、新しい広がり=「サードコミュニティ」がなかなか築けないといった課題があります。
そこでシブヤ大学では、地域の住民とのお祭りを企業とコラボして開催するなど、「地域の人と一緒に」コミュニティづくりをされています。
渋谷区は若者が60%を占め、お年寄りの方と関わる機会がなかなかありません。
そこで、こういったコミュニティ活動を行うことで、異世代間の関わりあいが生まれます。
このように、行政だけではまかなえない部分にプラスαをすることで、様々な層の人を関わりやすくすることができ、現在では全国9都市でシブヤ大学と同じような理念、考え方を持った「大学」がコミュニティづくりを行なっています。
左京さんは「自分の仕事を通して、社会にインパクトを残したい。」と語ります。
左京さんは「インパクト」を「井戸を掘る」ことで例えます。
”井戸を掘る→今まで水を汲みに行っていた時間を削減できる→その時間でお金を稼げる→そのお金で教育を受けられる”
もともと、大学でラグビー部に所属されていた左京さんは「やるからには勝たないと」という成果評価主義の考え方が根底にあり、「いいことをしているんだから、成果がでなくてもいい」ということではないそうです。
”渋谷に関わるすべての人とシブヤ大学が関わり、情報発信力の高い渋谷の街が、日本のすべての街のお手本となるスマートでローカルなコミュニティを目指すこと。「市民の大学」がひとつの起点となり、日本を盛り上げていきたい”
左京さんはワールドシフトシートに以下の言葉を掲げます。
「Judge」→「Decision」
Judge(判断) – テストの回答のように、正しいか間違ってるかの判断をすること。
Decision(決断) – 未来へとベクトルが向いている意思決定
左京さんは以前、住友商事株式会社に勤務されていました。
住友商事という大企業を辞め、NPOで働くということは、世間的に見ると間違った判断であるととらえる人もいるかもしれません。
しかし、左京さんの人生の中で何が正しいか間違っているかの判断は、左京さん自身が決定することです。
人生の中での選択は、メリットデメリットの比較で判断できるものではありません。その人自身が満足のいく結果を得られれば、それはその人にとっての正解になるのです。
情報を収集したり、人から話を聞くことも大切ですが、選択をするのは他でもない自分自身。
”主観的で曖昧かもしれないが、だからこそ勇気と覚悟をもって、「Decision」していく生き方こそがこれからの人生や、社会のあり方を変えていくのではないだろうか。”
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人生は選択の連続であるという話をよく聞きます。
「判断」と「決断」。
たった一文字の違いなのに、意思の有無でまったく異なった結果を生み出します。
「1.1の状態」と「0.9の状態」。
少しの覚悟で、時間が経過するごとに大きな差が生まれます。
社会を変えるのも、自分の人生をよりよいものにするのも、まずは目の前にある選択を「Judge」するところから。
まさにWorldShift’12のテーマである「Shift from here」な内容でした!
みなさんもシブヤ大学や京都のカラスマ大学をはじめとした、お近くの大学の活動に参加してみてはいかがでしょうか。
続きまして、フォトジャーナリスト安田菜津紀さんの講演です!